2022年10月に労働者協同組合法が施行され、私たちワーカーズコープ・センター事業団も労働者協同組合法人への移行をいたしました。 法制化は私たちの予想を超えて、地域に前向きな変化を起こしており、改めて協同労働が法制度として社会化された意味の大きさを実感しています。 労働者協同組合法の第一条には「協同労働」という言葉は出てきませんが出資・従事・意見反映という形で定式化された新しい働き方である協同労働が、社会的に地歩を得ていく可能性を感じさせます。 ワーカーズコープ・センター事業団も、これまで子育ち、高齢者ケア・障がい児者ケア・困窮者支援に取り組んでいる事業者等、特定の事業分野の関係であったものが、分野を超えた「地域社会そのものをどう創造するのか」という労働者協同組合法人の特徴である「地域づくりの事業者」としての社会的な認知を得ていく責務を担っています。 法施行後、たくさんの労働者協同組合法人が全国で立ち上がっています。 業種は様々で、キャンプ場の運営や空き家の管理、中には音楽イベント企画運営など、多様な事業領域に発展する可能性を感じます。 「協同労働」は、働き方や働く仲間の関係等、これまで漠然と「みんなで力を合わせて仕事がしたい」と考えていた方々に人間の基本的な営為である「労働の世界」に「自立と協同」という新しい息吹を吹き込んで、「励ましあい、学びあい共に成長していく...そんな働き方ができるんだ」と支持と共感を寄せられているのです。
労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 代表理事 平本 哲男